米・日・中の景気対策の有効性を検討する


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皆さん、おはようございます。『やさしい株のはじめ方』サポーターのみっちーです。

今はGW真っ只中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はと言いますと、28日と29日に実家のある大阪に戻り、友人と思いっきり遊んでまいりました。大阪に滞在していたのは27時間ほどでしたが、1時間あたりの濃さがもの凄かったので、かなり充実した休暇を取れました♪

さて、4月10日に日本の追加景気対策がまとまり、各国の超大型景気対策が出揃いました。そこで、今回は世界経済に大きな影響を持つ米国・日本・中国の3カ国に的を絞って、これらの対策が「各国経済に有効に働くのか」を検討してみたいと思います。


検討は次の3つの視点から行います。
 
1つ目は「経済効果(推定)の規模」、
2つ目は「即効性(効果が表れるまでの期間)」、
3つ目は「その効果が将来的な経済成長に繋がるものなのか、単に景気悪化の底割れを防ぐ下支え的なものなのか」です。
 
では、さっそく各国の景気対策を見ていきましょう。

■米国

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減税」は、最も分かりやすく効果が期待できる政策のひとつですね。行われれば“確実”に家計の支出が減りますので、その一部が消費に回されることが考えられます。ただ、これは将来的な経済成長に繋がるものではなく、景気悪化の底割れを防ぐ緊急処置的な意味合いが強い政策と言えます(終了すればそれ以上の効果は期待できませんので)。

低所得者医療補助」は低所得者に的を絞った生活保障策、「教育機関財政補助」「失業対策・保険」も、将来的な経済成長に繋がるというより、景気悪化の底割れを防ぐ緊急処置的なものですね。

公共投資」ですが、8兆円の内訳として高速道路や橋に2.7兆円、鉄道建設8,000億円が主な内容となっています。米国は個人移動における自動車の使用率が約90%と極めて高い国です。貨物移動においても同様の傾向にあり、高速道路が物流に果たす役割が非常に大きいと言えます。

しかし、その重要性に反して米国の高速道路の整備はあまり進んでおらず、渋滞状況も年々悪化しているそうです。今まで高速道路建設に大きな予算を避けなかったのが最大の原因だったそうですが、今回の景気刺激策により大きな予算が確保できましたので、整備が一段と進むのではないでしょうか。これは需要不足を補うための供給提供になると思いますので、多少なりとも将来的な経済成長にも繋がるのではないかと考えても良いと思います。

※米国の高速道路では、このような崩壊事故(別窓-動画 少し重たいです)が度々起こっています。

公的資金で融資枠拡大(政府が銀行にお金を貸すことで融資をしやすくする)」「不良資産の買い取り」を含め、全体的な感想としましては「傷をピンポイントで治すような政策の取り方をしており、無駄の少ない効率的なお金の使い方をしているな」という印象を受けました。

■日本

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融資保証枠拡大」は、中小企業に対する政府の返済保証付き融資枠を20兆円から30兆円に拡大するというもので、銀行の貸し渋りで資金繰りに苦しむより多くの中小企業がお金を借りれるようになります。

企業は事業を運営するために絶えず資金を融通しなければなりません。もしその資金が用意できなければ、たとえ利益を出していても倒産する事だってあります。「わずかなお金を借りれなかっただけで事業が継続できなくなる」これが経済に与える損失は図りしれません。ゆえに、融資保障枠の拡大は景気悪化の底割れを防ぐために非常に効果的な政策と言えます。

ちょっと内容を詳しく調べましたところ、あとは「本当に効果があるの?」と疑問に思う政策ばかりでした。個人的には「なんでこんなところにお金使うの?」「なんでそんな複雑な仕組みなの?」といった印象を受けました。米国やこのあとご紹介する中国の政策と比べると、何か焦点がズレているような気がしました(汗”)

例をいくつか挙げますと、「環境技術開発・導入促進-財政支出1.6兆円-」政策の中に「太陽光発電-財政支出6,000億円-」という項目があるのですが、その80%がなぜか学校の“耐震改修”と“パソコン導入”に使われ、肝心の“太陽光発電導入”には10%しか回されてなかったりします(汗”)

あと、「エコカー・エコ家電導入促進-財政支出8,700億円-」ですが、これも“エコポイント制度”など複雑な仕組みのせいでなかなか上手く機能していません。

また、「インフラ投資-財政支出2.6兆円-」ですが、“21世紀型”と銘打ってなぜか農業に1兆円回されたりしています。確かに日本の農業の活性化は将来に繋がるかもしれませんが、今この時期にするのはどうかと。。。他も良く分からないところにお金が回されていて「本当にこれ効果あるの?」といったものばかりでした。

あと、昨年打ち出された「定額給付金-財政支出2兆円-」ですが、なぜあのように役所にコストがかかる複雑な手続きを踏まえた上で、しかも国民自らが申請しなければ受け取れないようにしたのかでしょうか。。。

■中国

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今回中国の景気対策をまとめ終え、「中国はこれから伸びる国だ」と改めて強く感じました。中国が取っている景気対策は、米国や日本と根本的に性質が違います。ざっくり言いますと、日米が“傷の手当て”をしているのに対して中国は“筋トレ”をしている感じです。傷はそれが直ってもとくに変化はありませんが、筋トレをすれば筋肉がより強くなり、より大きな力を発揮できるようになります。

インフラ投資」がまさにその“筋トレ”に当てはまります。中国は日米と違い、経済インフラ(交通網、通信網など)がまだまだ整備されていません。よって、流通は非効率的でここを改善するだけでも国内企業の生産性が大きく向上することは間違いないと思います。

四川大地震復興支援」は大きな建設・設備投資の需要を生み出し、国民の生活基盤を整え、その後の経済発展にも繋がりますし、「農村民支援」は拡大する貧富差から来る不満を和らげる効果も期待でき、一石二鳥の政策と言えます。

つまり、中国にとって今回の景気対策で行うことは「後々する予定だったことを前倒ししたに過ぎなく、この政策が無駄になることはほとんどない」と言っても良いのではないでしょうか

※公共投資が切れると経済は一時的に必ず落ち込みます。ですが、その影響は日米に比べるとだいぶ小さいのではないでしょうか。

■総論

こうして3国の政策を比べてみると、どうしても日本の政策がズレているように思えて仕方ありません(汗”) ただ、今回の日本の景気後退の大きな原因のひとつに外需の大幅な縮小(とくに欧米の自動車販売・建設受注)があることを考えると、内需を喚起してなんとかしようとすること自体、そもそも無理があるのかもしれませんね。

建設受注に関しては、インフラがほぼ出来上がっている国内で需要を喚起するのは困難なので、今回は自動車の買い替え等を促すもっと思い切った政策(エコカー購入限定とかでなく、新車全般に補助金を出すとか)を取るのが良かったのかなぁ、と個人的には思いました(特定の業界を政府が積極的に後押しするのは反発を呼びそうですが、日本にとって自動車産業は世界でトップを取れる貴重な大量雇用産業ですから、少しくらい大目に見てあげても良いのではないでしょうか)。

米国に関しては、まだ何とも言えないですね。日本のバブル崩壊から回復に至った経緯を考えると、金融機関が抱える「不良資産の処分」をきっちりしないことには、なかなか経済が浮上する絵が見えてきません。となると、米国経済回復のカギは、現在打ち出されている「不良資産買い取り政策」がちゃんと機能するかどうかにかかっていると言えるでしょうか。

また、米国の経済が回復しない限り日本経済の回復も期待しにくいので、米国の経済回復は日本にとって自国の問題以上に大きな関心事であると言ってもよいと思います。

中国に関してはまったく心配ないと思います。というよりも、長い目で見るとこれからまた一段と経済成長を遂げるのでしょうね。あと、日本の建設機器業界がこの中国の大規模インフラ投資の恩恵を受けることは間違いないかと思います。

さて、今回の記事を含め、全4話を通して「世界経済の現状」を私なりに解説・検討してきましたが、果たして皆さんに満足していただける内容でしたでしょうか? 今回の記事を実際に作るにあたって、私自身まだまだ力不足だなぁと感じることが多々あり、正直自分でもこの一連の記事が本当に皆さんの役に立っているのか自信がありません。こんなまだ少し頼りない私ではありますが、皆さんに喜んでいただける記事を作れるよう日々精進していきたいと思います。

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記事作成にあたり、ファイナンシャルプランナーの前田さんにご協力をいただいております(前田さんの紹介ページです)。